顧客満足度調査|概要


 1. 顧客満足度調査の成功の鍵           ➡本ページ
 2. 質問体系こそ顧客満足度調査の秘訣
 3. 調査目的、調査対象、調査方法は三位一体
 4. 顧客満足度調査は競合比較してこそ
 5. 分析手法と質問体系は表裏一体
 6. ロジカルシンキング+ラテラルシンキング




1. 顧客満足度調査の成功の鍵

顧客満足度調査は、質問体系から分析手法まで、確固たるセオリーが存在している。そのセオリーを知らずして、勝手な調査をしてみても、成果が上がるものではない。

顧客満足度調査を実施しているのだが、成果が上がらないという企業の大半は、次の理由による、といっても良い。

  • 単に、5段階(4段階)評価で、顧客に満足か不満かとばかり質問して、顧客満足度調査を実施したつもりになっている
  • 顧客満足度や顧客の声の分析が表面的に終わり、顧客のインサイトにまで深い分析ができていない
  • だから、顧客満足度が低いのはわかっても、どうすれば顧客満足度を上げられるのかがわからない。要するに、顧客の本音、評価の要因、顧客満足度の低い理由がわからないから、解決策もわからない
  • 顧客満足度は上がっているのに売上は下がっている(またはその逆で、顧客満足度は下がっているのに売上は上がっている)、などの状況に直面して、顧客満足度調査の経験不足から説明ができない。だから、顧客満足度調査の結果に対する社内の信頼が得られない

SNSやブログなど、顧客の情報発信力は以前よりも格段に増している。
タイムリーに顧客の声を掴み、対応策を考えていくことは重要だ。しかしながら、腰を据えて、ロジカルに市場全体像を俯瞰する顧客満足度調査は、いささかもその重要性を失っていない。

顧客満足度調査のセオリーを以下のリンク先に詳述したので、ご参考にしていただきたい。

顧客満足度調査は企業の定期健康診断

調査などしなくともわかる?

顧客満足度調査の成功の鍵は“顧客の声”に対する謙虚さだ。消費市場が踊り場を迎えつつる今こそ、顧客満足に対する真摯な取り組みが威力を発揮する。

顧客満足度査も一頃のブームが過ぎ去った観がある。多くの企業で“CS推進室”などを設け、顧客満足度調査なるものを一度は実施してはみたものの、一過性のものに終わったところが少なくない。一方で、なかには顧客満足度調査が自社の経営の仕組みの中にしっかり定着化した企業ももちろん多い。

そもそも顧客満足向上のための活動は企業にとっては永遠の課題である以上、顧客満足度調査は一時のブームに終わるはのものではない。コツコツと地道な、息の長い活動であるべきはずだ。
で、顧客満足が重要だという点ではいずれの企業の経営幹部も同感しながら、多くの企業で顧客満足度調査が定着化しなかったのは何故か。

まず何よりも、
・顧客満足の向上は“金食い虫”だったこと
⇒顧客の要求をすべて満足させようと思ったら、人手やお金がいくらあっても足りない!
というのが、多くの企業の経営幹部の本音ではなかっただろうか。

まず第一に、
・その不満の根幹は何か?顧客の本音(=インサイト)を理解すること
の難しさにはじまり、次いで、
・貴社の強みをさらに伸ばすことで、弱みを補うことでカバーできないか、戦略的に考えることや、
(業界内に同じような会社がたくさんあることを顧客は望んでいない)
改善のプライオリティが高いことに関して、競合他社に見劣りしない程度に顧客を満足させること
など、現実的なアドバイスができる調査会社に恵まれなかったのかもしれない。

ただ、筆者が考えるに、顧客満足度調査が定着しなかった一番大きな理由は、何もわざわざ調査などしなくとも、自社の顧客満足度ぐらいおおよその見当はつく、と考える企業の幹部が少なくなかったからではないかと思う。

要するに、顧客満足度は調査などしなくとも、
①現場感覚(定性面)からわかる
第一に、自ら現場に出てみて顧客と接したり、また前線セールスマンから上がってくる報告どをみればおおよそのことはわかる
②販売実績(定量面)からわかる
第二に、商品が売れているか売れていないかを見れば、顧客が満足しているかどうかはわかる
というものだ。

また、昨今では、市場の成熟化により、顧客満足度に伸張の余地がないといった声もある。

しかし、こうした見解は最初から顧客満足度調査の意義を理解していない人のものだ。この見解によって、顧客満足度調査を実施する意義はいささかも減じるものではない。

情報は共有化してこそ

まず一の『顧客満足度は、現場感覚(定性面)からわかる』ということについは、だからとって顧客満足度調査は不要だ、ということにはならない。

往々にして、こうした見解を持つのは、いわゆる現場の叩き上げ、日々販売最前線に立ち、じかに顧客と接しているベテラン社員に多い。このようなベテラン社員の現場感、皮膚感覚はおそらく正しい。
問題は、それをどのようにして人に伝えるか、ということである。

この場合の“人”とは、経営トップであったり、他部門の部課長クラスであったり、多くは部下の若手社員であったりするだろう。

要するに、ベテランともなれば中間管理職であり、上司や部下や他部門の部課長クラスを“動かす”ことが求められるのである。

その場合、本人自身は、持ち前の現場感覚で、顧客が不満を持ちめている、何か手を打たなくてはと危意識を持ったとしも、その危機意識を経営トップや若手社員に説得力をもって説明する能力が求められるはずだ。

自分の現場感覚、皮膚感覚で得情報を社内全体で共有化できなければ意味がないからだ。

その際、社内でカリスマと呼ばれるくらいに、自分の意見は上司や部下から絶対の信頼を受けている自信があるならばよいのだが、改善のための協力や投資を引き出すにしても、感覚的にこう思うから、というのでは説得力があまりにも弱い。

その意味で、顧客足度調査の結果というのは、顧客の動向についての社内の共通言語であり、場感覚・皮膚感覚というアナログ情報を“数値”という客観性のあるデジタル情報に変換して、情報共有化を図る手段にほかならない。

顧客満足度は売上の先行指標

また、第二の『顧客満足度は販売実績(定量面)からわかる』というのは必ずしも当たっていない。 この主張は、顧客満足度と販売実績は正比例する、という論理のもとに成り立つものだが、KFSが実施してきた多く顧客満足度調査結果は、必ずしも顧客満足度と販売績は正比例するという論理には帰結しないからだ。

むしろ、ある局面では、販売実績の良い企業ほど顧客満足度が低く、販売実績の悪い企業ほど顧客満足度が高い、といった逆転現象も起こりうる。

なぜ、そうした逆転現象が起こるのかといえば、販売実績のいショップほど当然お客が大挙して押しかけるために、商品の納期や接客、購入後のアフターフォローなどが対処しきれなくなることが最大の要因だ。
しかも、販売実績の良い企業というのは当然顧客の評判(顧客の事前期待)も高いだけに、その対応には高水準のものが求められ、顧客の採点は厳しくなる。また、売れていることによる油断、慢心が芽生え始めている場合もある。

したがって、顧客満足度調査を行てみると、意外に顧客満足度が低かったりする。
一方で、販売実績はあまり良くない企業では、暇を持て余し気味の販売員が少ない来店客に対して親切・丁寧に接していたりて、商品の品揃えも良く、アフターフォローも行き届き、非常に顧客満足度が高い場合がある。

したがって、この販売実績の良い企業と、あまり良くない企業とを比較すると、前者よりも後者の顧客満足度が高いといったことが生じる。そのために、顧客満足度調査は当てにならないと思う人も出るわけだが、それは早計だ。

なぜなら、この場合、必ず近い将来に前者の企業の販売実績は下がり始め、後者の企業の販売実績は上がり始めるからだ。

すなわち、販売実績と顧客満足度との関係は、単純な正比例の関係ではなく、正確にいえば、時間差を伴った正比例の係が成り立ついうことだ。そのため、ある局面においては、顧客満足度と販売実績が反比例する、ということが起こる。

当初は売れ行き鈍いが、親切・丁寧に接客しているうちに顧客の評判が高まり、顧が顧客を紹介してくれル用になり、次第に販売実績が上がり始める。

だが、かえってそのために人手不足に陥ったり販売員のスキルアップが間に合わなくなったりして徐々に顧客満足度は下がり始め、それでも当分の間は“勢い”が続くから販売実績は上がり続ける。
しかし、ある時点で、顧客対応が悪い企業との評判のほうが増え、販売実績は下降線をたどり始めるわけだ。

顧客満足度は販売実績の先行指標であり、顧客満足度が下がり始めるポイントを的確にとらえ、販売実績の増大に見合うだけの人員の補充を行ったり、体制見直しを図ったりしなくてはならない。
しかし、顧客満足度が下がり始めても、販売実績はそれまでの“勢い”から依然上昇機運にるケースがある。この場合、企業幹部は、販売実績の上昇方に気をよくして、顧客満足度の下降を軽視しがちだ。

場合によっては、調査結果の方が間違っているのではないか、と言われることすらある。
間違いではない、その証拠に、その時点で手を打たないと、ある時点から急に販売が減少に転じる時がくる。
その時にあわてても既に対策は後手に回っており、業績を回復させるまでに多くの労力と資金を費やさなくてはならないのが常だ。

悪化して手遅れにも

顧満足度は、常に販売実績に先行して現れる。その意味で、顧客満足度調査は問題発見型の調査であり、定期健康診断ともいえる。

だから、1回きりの顧客満足度調査だけからは本当のことは読みきれない。人間でいえば血圧が高いといっても、もともと血圧が高いのか、急に高くなったのかによって診断結果は大きく異なるからだ。
定期的に実施していくことによって、体調の変化を的確にとらえることができ、対策を講じることができる。

また、顧客満足度調査は定期健康診断である以上、問題箇所が発見できたら、その要因を調べることに最大の重点が置かれなくてはならない。
顧客満足度の上昇・下降=トレンドを見るだけの調査として位置付けるのではなく、それは何故かを探索することが顧客満足度調査の最大の狙いだ。顧客満足度調査が成果を上げていない企業の多くは、この要因探索が不十分なケースが多い。

一方で、『顧客満足度調は定期健康診断である』ということが、顧客満足度調査の結果に対する人々の関心を薄めている面がある。
いわく顧客満足度調査は一度実施すれば十分ということになるわけだ。半期や1年に1度顧客満足度調査を実してみても、調査結果にあまり大きな変化がなく、面白みが少ないからだ。

当然だろう、人間でいえば、年に1度、定期健康診断を受けるたびに、たとえば一昨年は心臓に疾患が見つかり、去年は脳に腫瘍が見つかり、今年は胃ガンが見つかった、といった具合に、毎年身体に劇的な変化が起こっていたら、たまらないはずだ。
去年と今年と、何も身体に変わったところがないからこそ、やれやれこの1年間無事だったとほっと安心できるのである。

顧客満足度はそう毎度毎度大きくわるものではないが、だかといって、定期健康診断を受けることをろそかにしていると、どうも手足がしびれる、胃が痛いなどといった確たる症状が出たきには、実はガンだったか、既に病状がだいぶ悪化しているということになりかない。

胃を半分切除しましょうなどと、企業で言えば事業を半分リストラしましょう、ということになってしまう。もっと早くに気づいていれば、治療の方法はいくらでもあったのになどと嘆いてみても後の祭りだ。

以上、顧客満足度調査は企業の定期健康診断であることについての効用を述べてみた。
顧客満足度調査は、調査手法のセオリーが確立している調査である。このセオリーを知らずして、調査素人の方が、企業の定期健康診断などと医者の真似ごとをしてみても、成果が出ないのは当然である。また正しいセオリーとともに、豊富な経験が重要であることは、いうまでもない。

顧客満足度調査は企業の定期健康診断である以上、問題箇所が発見きたら、その要因までをも発見してこそ、解決策が打てる、というものである。

言い換えれば、顧客満足度調査では、問題箇所の発見(=顧客満足度が上がった、下がった)は比較的容易であるが、その要因探索にこそセオリーがある、ということである。





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